−キャブレター調整編(2005-10月〜2006-4月)−
M-U
(昭和51年排ガス対策)
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足回りや外装をいじっているうちに、どんどんエンジンが不調に。。。最後には始動しなくなってしまいました。エンジンがかからなくなったときのお決まりで、燃料系か電装系の不調と思い、まずは電装系からチェックしましたが、異常ありませんでした。 ならば燃料系なので、はじめにキャブレターのフロートのぞき窓を見ると燃料来て無いじゃん。。。 おまけに、ポンプからは燃料漏れてるし。。。 まずはポンプが直らないと危なくてしょうがないのでポンプを直しました。 このページはその続きです。 |
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タール状になったガソリンがこびりついているので、いったん降ろして洗浄です。 降ろす前に、バキュームホースがどこに繋がっていたか分からなくならないようにタグをつけて、写真を撮っておきましょう。(整備マニュアルがあれば必要ないと思いますが。) キャブレタASSYでないと部品が出ないので注意してばらします。 |
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ばらして燃料の調整バルブを見ます。 |
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上がオリジナルの状態。見にくいですが、右側のとがった部分がゴムになっています。これで油密を保っていますが、なにせ20年以上前のものなので、トロけかけています。 ゴムの表面を活性剤できれいにしたり、紙やすり削ったりしましたが1週間もすると貼付いてしまいました。 結局、諦めて下のように、ゴムの部分をむしりとり、銅(はんだ付け)に交換しました。左側の部分は調整できるように作ったものですが、調整の結果オリジナルで問題ありませんでした。これで、1週間経っても燃料が詰まることはなくなりました。 |
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キャブレターの後ろ側にある赤で囲んだファースト・アイドル・カムがスムーズに動くように掃除します。スムーズというのは、キャブ本体を傾けるとブラブラ動く程度です。 エンジン冷却時にはこのカムを電熱コイルのリンクが引き上げるので、少しでも引っ掛かりがあると、始動性が悪くなります。 ちなみに、エンジンが暖まった後は、一番下にないとアイドル回転が高すぎることになります。 この部分は53年排ガス規制のエンジンでは構造が若干異なります。 |
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キャブレタクリーナでガソリンカスを洗浄し、各部を点検して組立/給油して車上に戻し、バキュームホースをつなぎます。 ジェットなどはいじらない方が無難です。 |
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車上ではまず、電熱コイルの調整です。なお、コイルの組み付け時には左の写真で右側に回した位置から組み付け、左に回してニュートラル位置まで持ってきます。左に回したときに、チョークバルブが閉まればOKです。 キャブ本体の太い目盛りが中間位置で、燃料の濃さは左がリッチ、右側がリーンになります。中間より右にすると加速時にエンジンが息継ぎをするので、よほどのことが無い限り右にはしない方が良いでしょう。我が家のは左に1目盛りにしました。 |
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右側にあるアイドル・アジャスタ・スクリューを全閉から1−3/4〜2回転まわします。 閉めすぎていると燃料が入らないのでエンジンはかかりません。 アイドルが安定しないときはもう1回転くらい回します。 |
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真空が来ていない場合、大元のマニホールドに刺さっているガスフィルター(写真中央)をはずして、キャブクリーナで洗浄しましょう。これが詰まっていると、いくら頑張ってもちゃんと動きません。意外とガソリンが詰まっているものです。 |
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何もなければ、これでエンジンがかかるはずです。カタツムリ(エアクリーナ)は付けなくてOKです。 エンジンの暖気後、油面計の真ん中より少し上くらいにガソリンが来ていればOKです。 多すぎたり、少なすぎるときはフロートの燃料調整バルブのあたり面を曲げて調整します。 アイドル・アジャスタ・スクリューが閉まっていると、油面が上がらないので気をつけましょう。 |
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暖気中は青で囲んだチョーク・オープナに真空が来ていない状態で、ファースト・アイドル・カムのピン(赤丸)が一番上にある状態になります。 ちなみにエンジンをかける前に、一度、アクセルを踏みます。そうすると、ファースト・アイドル・カム位置がリセットされます。アクセルを踏まないとエンジンがかからないことがあります。 |
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私のはチョーク・オープナに真空が来たり来なかったりで調子が悪かったので、赤丸のBVSVをスペアと交換しました。 左の写真はマニホールドの裏側です。 |
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BVSVとはバイメタル・バキューム・スイッチング・バルブの略で、カシメをはずしてばらすと左のようになっています。真ん中の円盤がバイメタルで、右のスプリングのついた白いものがバルブです。この中のOリングがトロけていました。 |
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整備マニュアルではTP(スロットル・ポジショナ)も調整してアイドルを調整するようになっていますが,調子がよければ触らない方が無難です。 アイドルが安定したように見えても、調整位置によっては高回転のまま維持されてしまうことがあったり、調整が難しい部分です。 |
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<ジェット> 燃料が来ているにもかかわらず、不調の場合はジェットが詰まっている可能性が高いです。 私のはセカンド・ジェットが詰まっていたようで、エンジンを吹かすとストールしていました。TPのカムをはずさないと、ジェットの蓋をしているボルトが抜けないので、一旦キャブを下ろしての作業となります。フロート室に燃料が入っていると、ジェットの蓋のボルトを取ったとたんにガソリンが出てくるのでウエスなどで受けるようにします。 ボルトをはずした後は、キャブレタークリーナで固着したガソリンを溶かします。 (長期不動車はバラさないと取れないかもしれません) その他ジェットはいくつかありますが,フロート室内にパワージェット、エアホーン(キャブの蓋)との合わせ面にセカンドスロージェットがあります。 M-Uエンジンのジェット径は以下のようになっています。(4M-Uは異なります) メインジェット ファースト 1.09mm セカンド 1.80mm スロージェット ファースト 0.55mm セカンド 0.6mm パワージェット 0.53mm パワージェットは蓋にあるピストンにより作動されるのでピストンが固着していないかの点検も必要です。 |
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おまけ | |
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スペアのキャブレターにオプションのHACバルブ(高度補償装置)が付いていたので、移植してみます。高度1000m以上の高地でないと働かないようなので、効果は当分、分からないでしょう。。。 |
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左側のショックマウントにメクラ栓をしてあったところに付けました。クラウンからはずしたので向きが違うようですが、多分大丈夫でしょう。 バキューム配管は一部回路変更になっています。 |