ディフレクタとアンダーガードはFRP化する予定なので、錆落しまでで一旦作業は終了です。
エンジンのオイルパンに移行しようと思いましたが、せっかくなので壊れたラジエータも交換してしまうことにします。
前編(旧ラジエータ撤去編)
・ラジエータについて
本体とブラケットのはんだがはがれたラジエータを下ろします。
ラジエータはAT用とMT用があります。MT用には赤矢印のポートがありません。
冷却水は青いバルブを開けて抜きます。M型エンジンは11リットル出てきます。
そのまま下水に流してもいいような気もしますが、一応、新聞紙に吸わせて乾燥後、燃えるゴミで出しましょう。
↑AT用
・シェラウドの脱離
シェラウドは上下が分割式になっています。ファン側から覗き込んで、クリップを2個はずすと下側が取れます。(エンジン側へ引き抜く)
その後上側とラジエータの締結ボルト4本をはずして上に引き抜きます。
・ホースの脱離
上側のホースは簡単に外れますが、下側が厄介です。AT用のホースはラジエータ側ではなく、赤矢印のエンジン側の方から
抜いた方が作業としては楽です、ホースはひねりながら引き抜くと簡単に抜けます。
ウォーターポンプからのホースはラジエータ側では絶対に抜けないのでポンプ側をはずします。
↑AT用のホース
ポンプ側ではずします。
・ラジエータ本体脱離
ラジエータは4本のボルトで車体に止まっています。1本はリザーバ/ウォッシャタンクと
共締めなので、私のようにヘッドランプの台座をはずしている時はここからはずします。
タンクはセンサーの配線2系統、ウォッシャポンプの配線1系統あり、タンクをはずす時は
これを先にはずします。最後にウォッシャの水ラインが1系統あります。これをはずすと一気に
ウォッシャ液が出るので指でポートを押さえて安全な場所に持っていきます。
↑はずすとこんな感じ(エンジンルーム清掃後)
中編(エンジンルーム補修編)
・エンジンルーム清掃/点検
ラジエータがなくなるとずいぶんエンジンにアクセスしやすくなるので、ついでに清掃と/点検をします。
私の車は私の知る限り2回はパワステオイルを噴いているので特にエンジンルームは真っ黒です。
↓清掃前はこんなに汚かった・・・。
清掃はピカールの仲間で「デグリース」(脱脂洗浄剤)と言うのでせっせとブラッシング/拭きあげをしました。
錆の方は意外と少なく、リザーバタンクのついていた場所と、パワーステアリング本体のサイドメンバーの一部に
腐食が見られる程度でした。
ここはPOR15で次回補修します。
・フェンダーはずし
レストアをしていると、困ったことにどんどん補修部分が見つかって、作業がどんどん増えていきます。
今回は、エンジンルームの腐食部を防錆/塗装をそれなりに仕上げたいので、左右のフェンダーを外して車体を完全に
むき出しにしてから行ないます。フェンダーは車体にシールでガッチリついているので、ボルトを外しただけではだめで、
切り離すのに苦労します。方法としては、直径1mm以下のステンレスロープの両端を2本のめがねレンチに結んで
糸のこのようにして切っていきます。1/3くらい切断するとスクレーパーが入るので、プラハンで柄をたたいて一気に
剥がします。
↓するとこんな感じで取れます。黒い粉のようなのがシール剤の残骸。
灰色のは若気の至りで15年くらい前に塗ってしまったジンクプレート。
塗装の上から塗っても効果ないです。
↑ベンチレータカウルプレートも外しています。(ワイパーの所)
ふと、足元を見ると黒い粉が散乱していて、はて?と見るとエアコンのコンデンサーの塗装がボロボロ・・・。次から次へと。
ワイヤーブラシで落とせる所はこすってアルミの地をだしました。今のところはとりあえずPOR15で再塗装して終わりにします。
レストアをする上で、フロンガスを大気解放してADEOS-Uにでも見つかったら大変なので、ガスが入ったままのエアコンはちょっと
厄介です。
車検が切れる前に抜いておけば良かった・・・。
そして、前から気になっていた牽引フックを外すと
やっぱり・・・。
この車(たぶん他の車も同じなんでしょうが)、全く塗装していない地金の部分が所々にあります。ここも部品をつけてから
防錆塗装の槽に入れられたらしく、全く塗装された形跡がありません。他にはトランクヒンジのあわせ面なんかも無塗装です。
気が付いたときに防錆しておくと良いです。
・エンジンルーム補修
両方のフェンダーと、パワステのオイルクーラーを外したので、やっと補修作業です。本当はあとハーネスとスタビライザーも
外さなければなりませんが、塗装をし出すと塗装が乾くまでの間、空き時間が出来るので、そこでばらすことにします。
防錆塗料はESCO(関西ペイント)の白にしました。POR15はよく考えると上塗りが簡単に出来ないので、やめました。
POR15は溶剤に非常に敏感で、すぐに縮れてしまいます。試験的にPOR15を塗って、その上からやはりPORタイコートプライマーを
塗った板にエポキシシンナーをかけたら見事に縮れてしわしわになりました。
エンジンを下ろしていないので、エンジンルーム内側は作業エリアが狭く、いろいろ部品を外しましたが、結局ガンによる吹付けが
出来なかったので、ローラで塗りました。研ぎ出しが大変です・・・。外側はガンで吹きました。最初はシンナーを入れすぎて
しまいました。シンナーは20%位で良いかも知れません。
先週までにハーネス、スタビライザー/ストラットは外してしまいました。
トップコートは山屋商店さんにお願いして調色してもらいました。ちなみに他の塗料もこのお店で購入しています。
いろいろとアドバイスもしてくれるので良いお店です。ヤフーオークションにも出店されています。
塗料はALESCO(関西ペイント)のPG80(2液ウレタン)を使用しています。2液といっても塗料10に対して硬化剤1なので、
混ぜるのにそんなに面倒ではありません。むしろシンナーの量が難しいです。オールドタイマーに掲載されていた中沖名人の
アドバイス通り今回は塗料50:シンナー50で吹きました。シンナーが足りないと塗料が球になってしまいました。
塗りあがりはこの通り↓。
写真では分かりづらいですが、ちょっと黄色が強く、クリーム色が濃いのですが、これが本来の色だったの
でしょう。紫外線で赤や黄色は飛んでしまうので他の場所は若干白が強くなっています。
作業日は気温が15℃近かったので塗料も数時間で乾燥してしまったようです。
コンプレッサーや塗装場所があればオートバックスとかで売っている缶スプレーより仕上がりは断然きれいです。下の色も
ほとんど透けることなく快適に塗装できます。
クーラーのコンデンサーもつや消しの黒で塗りました。
文章にすると簡単ですが、汚れを落としたり、新聞紙でマスキングしたり結構手間がかかります。おまけに野外で
塗っているので、雨や強風の日は作業が進まずここまで来るのに2ヶ月以上かかってしまいました。
子部品も再塗装が進んでいます。
後はクリアーを吹いて再組立の開始です。
後編(再組立編)
クリアーを吹いてラジエータの再登載です。ばらす時は汚れているし、さび付いていたりして結構苦労しますが、
掃除をした部品はどんどん組み上げられて気分の良いものです。
ラジエータ本体は実のところMX30/41用ではなく、60系の物にMX41の枠をつけてもらったリビルト品です。
確かターボ用(M-TEU用)だったはず。
ラジエータホースのイン側(下側)のバンドはSARD製の物に交換しました。2個で1200円とちょっと値が張ったので、
いつでも交換できるアウト側(上側)はドイトで買った普通のステンレスバンドに交換しました。
全体はこんな感じ↓
とりあえずちょっと中途半端ですが、ラジエータ交換はここで完。
シェラウドが付いていませんが、この先の作業上、しばらくはつけない予定。
また、シャーシーブラックも塗っていませんが、車検で言われたら塗るつもりです。
この後は電装系の取り付けをしておしまいです。
最後になりましたが、止めどと無く書いているので見づらい&すごく重いかもしれませんがご了承ください。
パワステ周りもオーバーホール予定なので、パワステ編はまたの機会に。